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1月院内勉強会 歯周病の類似疾患について

2023年2月28日 カテゴリ:かみなか歯科クリニック 院内勉強会

こんにちは!
歯科衛生士の桐林です😊

1月の院内セミナーでは、歯周ポケットが深くなる原因について学びました。

前回のセミナーでは歯周病について学び、歯周病が進むと歯周ポケットという歯と歯茎の間の溝がどんどん深くなってしまう事が分かりました。
しかし歯周ポケットが深くても、その原因が全て歯周病という訳ではないのです。
歯周病以外で歯周ポケットが深くなる原因には次の4つがあります。

①咬合性外傷

咬合性外傷とは、強すぎる噛み合わせの力によって歯や歯を支える歯茎や骨などの周囲の組織、そして歯が埋まっている顎の骨の付け根である顎関節などに様々な外傷を引き起こしてしまう事を言います。

咬合性外傷には一次性咬合性外傷とニ次性咬合性外傷があります。
一次性咬合性外傷とは、歯ぎしりや食いしばりなどによって歯に強い力が加わって起こる歯周組織の外傷の事で、二次性咬合性外傷とは、歯周病などでもろくなった歯槽骨や歯根膜に正常な噛む力が加わる事によって起こる歯周組織の外傷です。

②歯髄壊死が原因の根尖病巣

これは、虫歯を放置しすぎて虫歯菌が歯の神経まで到達し、神経の管の中で細菌が増えてしまったり、深い虫歯菌の治療後に歯の神経が再生する力を失い、自然に神経が死んでしまったりすると、根の先まで細菌が感染して炎症を起こし、それが原因で根の先に膿が溜まったり徐々に骨が溶けてしまう病気です。

また、中心結節と呼ばれる歯の角が折れて、歯の神経が細菌に感染し演出を起こす事もあります。

③歯根破折

歯根破折とは、歯の根っこにヒビが入ったり、割れたり、折れてるしまう症状です。
最も多い歯根破折の原因は、神経を抜いた歯の歯質が弱くなってしまう事です。
神経が存在しない歯は、例えるならば枯れ枝のような状態であり、生きた枝のようなしなりがなく折れやすくなってしまいます。
歯根破折が起きた歯は、破折線に沿って歯周ポケットが深くなります。
④セメント質剥離

セメント質とは歯根表面を覆っている部分で、このセメント質が噛み合わせによる過大な力を受けると肥大化し、その後剥離を起こす事をセメント質剥離と言います。
セメント質が剥離すると、そのセメント質が感染源となってしまい、深い歯周ポケットができ、周りの骨も吸収を起こし歯茎が腫れたり膿が出てきたりします。

このように歯周病以外の様々な事が原因で、歯周ポケットが深くなる事があるという事を知り、歯周ポケットが深い=歯周病と安易に考えるのではなく、しっかりと観察しそれぞれの状態に合った治療法を診断する事が患者さんの早期回復に繋がるのだと分かりました。

歯科医師のみならず、私たち歯科衛生士も多くの知識を身に付け正しい診察ができるよう日々努力していきたいと思います。