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8月院内勉強会 歯周病について

こんにちは!
歯科衛生士の桐林です😊
8月の院内セミナーは、当院の非常勤ドクターの鈴木先生にお話しを聞きました✨
 
鈴木先生は、水曜日と金曜日に非常勤ドクターとして当院に勤務されており、普段は大阪大学歯学部附属病院の歯周科に勤務されています。
歯周科では主に歯周病の治療を行っており、本日は鈴木先生が大学病院の歯周科で担当されている患者さんの症例について学びました。


歯周科での治療は、歯周組織検査・重度の歯周病により温存不可能な歯の抜歯・歯石除去・ブラッシング指導等を行います。
このような治療を歯周基本治療と呼び、多くの歯周病患者さんはこの歯周基本治療でかなりの歯周組織の改善が見られます。
しかし歯周基本治療を行っても改善が見られなかった場合、その歯周組織に対して歯周外科治療を行うことがあります。

今回の症例患者さんは、歯周基本治療を行った結果、大部分の歯周組織に改善が見られましたが、一部に垂直性の深い歯周ポケットが残ってしまった為、リグロスを使った歯周組織再生療法という外科治療を行ったそうです。

【リグロスとは】
・大阪大学歯学部の村上伸也先生が中心となり開発された、日本初世界初のジェル状の歯周組織再生剤
・垂直性の骨欠損内に満たすことで、失われた歯周組織(歯槽骨など)の再生が期待できる
・保険適応

上のレントゲン写真の左側のように、歯の根に沿って垂直的に骨が失われることを垂直性骨欠損と言い、右側の写真のように水平的に骨が吸収していることを水平性骨欠損と言います。
リグロスはこの垂直性の骨欠損の治療に高い効果を発揮します。

リグロスはトラフェルミンとも呼ばれ、主成分は「bFGF」というタンパク質です。リグロスがなぜ破壊された歯周組織を再生できるかというと、「bFGF」が骨や筋肉などの細胞の増殖や分化を促して、成長させるタンパク質だからです。
さらにリグロスには、血管を新たに作り出す作用(血管新生作用)が含まれていますので、歯ぐきやあごの骨といった歯を支える組織をしっかりと再生させられます。

リグロスはこのように高い効果を発揮する治療でありながら保険適用対象なので、これまで費用的な面で歯周病治療を諦めていた方にも費用の心配が少ない状態で治療を受けて頂けます。

今回の症例患者さんもこのリグロス治療を受け歯周組織が改善し、現在は安定した状態を保たれているそうです。
実際わたしの担当患者さんにも中等度以上の歯周病により歯にぐらつきがあり噛みづらさを感じておられた方が、このリグロス治療により健康な歯周組織を取り戻し「以前のようにしっかり噛めるようになった」と喜んでおられます。

医療は日々進歩し、以前は治療が困難であったり良好な予後が得られなかった症例でも、健康保険で最適な治療を受けられるようになってきました。
私達スタッフ一同、常に新しい知識を身に付け、より多くの症例に柔軟に対応できるように努力しなくてはならないと改めて身を引き締めることができました。

今後も患者様一人一人のお悩み事に真摯に向き合って、一緒に改善策を模索していけるようスタッフ一同努めてまいります。
お口の中の困り事や心配事、どんな事でもお気軽にご相談くださいね☺️