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11月 院内勉強会(根管治療)

2020年12月21日 カテゴリ:かみなか歯科クリニック 院内勉強会

こんにちは!歯科衛生士の桐林です😊
12月に入り、今年も残りわずかとなりました。
今年はコロナ禍の影響で今までの生活スタイルが一変してしまい、皆さんストレスの多い一年だったのではないでしょうか?
待望のワクチンも、来年度辺りから接種できるようになるかもとの事です。コロナウィルスの収束を願って、皆で協力しあって乗り越えて行きましょう❗️

さて、先日当院では毎月恒例の院内セミナーが開かれました。今回のテーマは、『根管治療』です。
根管治療とは、歯の根の中にある神経や血管が通っている管(根管)の治療の事を言います。
根管治療には、抜髄と感染根管治療の2種類の方法があります。

①抜髄とは
神経が生きている歯の虫歯が大きくなって、歯の神経の所まで達してしまった場合、歯の神経が炎症を起こして歯髄炎を起こしてしまいます。熱いものを食べるとしみたり、何もしてないのにズキズキとするような痛みが出た場合、炎症を抑える事が難しく歯髄を取ってしまう処置が必要になります。この処置の事を抜髄と言います。

②感染根管治療とは
虫歯が深くなり歯髄炎を起こしていてもそのまま治療しないでいると、神経が少しずつ弱って死んでしまいます。
こうなると根管内で虫歯菌や歯周病菌などの細菌がどんどん増殖してしまいます。
また、過去に神経を取った歯でも再び根管内に細菌が侵入すると同じような状態になり、歯茎が腫れたり痛みが出たり歯の周りの骨が溶けてしまったりする事があります。
このような細菌に感染した根管をきれいにする処置の事を感染根管治療と言います。

根管治療において大切な事は、根管内にいる細菌を出来るだけ消毒すること。新たに根管内に細菌を侵入させないことです。
歯髄炎の状態では、歯髄の細胞は生きていて免疫力を持っています。このため、歯髄の部分には殆ど細菌はいないとされています。
①の抜髄の段階で無菌的な丁寧な治療ができ、早い段階で根管内を薬剤で封鎖出来れば、高い確率で根管の中に細菌がいない長持ちする状態を作り出す事が出来ます。
しかしながら②の感染根管治療では、すでに根管内が細菌に感染してしまっている状態から無菌的な状態を作り出していかなければいけないので、飛躍的に処置の難易度が上がります。
また、根管は非常に複雑な形をしており、その中を細いファイルと呼ばれる針のような器具や、次亜塩素酸ナトリウムやEDTAというお薬を用いて根管内をきれいにしていくのですが、直接目で見えない所を手探りで治療しなくてはならず、歯科医に高度な技術と経験が要求されるのです。

また、根管とは1本の根の中に大通りの他に側枝と呼ばれる枝道が何本もある事が殆どです。
側枝は特に根の先3㎜近くに多く集まり、その側枝の中にも神経が通っているので、その部分が感染してしまうと神経を取り除いた後も暫く痛みが残ってしまう事があります。
また、炎症が根管の中だけでなく根の先の骨周辺まで広がっていると、なかなか痛みや歯茎の腫れが引かず治療が長引く事があります。

皆さんの中にも、根の治療に何度か通っても痛みが引かず、大変な経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
症状の強い根管治療には、非常にに長い治療期間を要する事もありますが、決して途中で中断する事なく最後まで治療を終える事が歯の寿命を長くする為に重要です。
治療中に何か心配な事があれば、遠慮なく何でもスタッフに聞いてくださいね!

また当院には、阪大病院の保存科という根の治療を専門に行う科に勤務しているドクターが、火曜日の午前中に非常勤として在籍しておりますので、根の治療について解らない事などあれば是非ご相談なさって下さい。